Till There Was You／萩谷清トリオ

萩谷清トリオのCDアルバム『Magical Misty Love（マジカル・ミスティー・ラブ）』からの11曲目。

萩谷清（g）、斉藤クジラ誠（b）、市原康（ds）、によるギタートリオ。

萩谷清トリオは、ミドル・テンポの８ビートに乗せて、明るい雰囲気のリラックスした演奏を聞かせてくれる。全編にわたりギターを中心に演奏され、テーマのメロディー・ラインを展開させていくギター・ソロが楽しい。

曲「Till There Was You（ティル・ゼア・ウォズ・ユー）」は、ザ・ビートルズのセカンド・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ（WITH THE BEATLES）』に収録された曲として知られるが、原作はメレディス・ウィルソンによる楽曲。かつてマツダの自動車のCMで口笛でこの曲が流れていたのをご記憶の方も多いだろう。
当初は、ボサノバのリズムで演奏することを考えていたが、ラテン調のリズムになった。落ち着いたなかにも楽しい雰囲気を醸し出している。

特筆すべきは、イントロ部のギター・ソロ。レコーディングでは一発録りで2テイクを録音したが、少し長めのテイクが採用されている。この演奏もアルバムに収録されている「Over The Rainbow」に負けない情感ある仕上がりになっている。

パーカッションはKIMCHI（キムチ）こと木村誠。木村誠がなぜ「キムチ」と呼ばれるかご存知だろうか。ミュージシャンは移動が多く、楽器のケースに名前を書いている。木村誠の場合、楽器のケースに「キムラ」と書いてあったのが、「ラ」がだんだん汚れてきて「キムチ」に見えるようになり、皆から「キムチ、キムチ」と言われるようになったそうだ（嘘かホントか？）。

木村誠はさまざまなパーカッションの楽器を使用している。ケースの中には魔法の小箱のように色々な楽器が入っている。何種類楽器が曲中に使われているか聴いてみてほしい。普段は脇役と見られがちなパーカッションだが、実に大きな役割をしていることをあらためて実感できるだろう。