Saving All My Love For You／萩谷清

ギタリスト・萩谷清のCDアルバム『MONTGOMERY LAND（モンゴメリー・ランド）』からの4曲目。

萩谷清は1968年 グループサウンズ「ブルーインパルス」のギタリストとしてデビュー。76年、米国バークリー音楽学院に留学。帰国後、スタジオワークとしては、宮川泰氏、前田憲男氏、服部克久氏等のレコーディング、音楽番組、 CM、映画音楽に携わり、印象的なギターサウンドを数多く残している。

曲「Saving All My Love For You（セイビング・オール・マイ・ラブ・フォー・ユー）」は、ホイットニー・ヒューストンのデビュー・アルバム『そよ風の贈り物』の収録曲で、全米で大ヒットした曲。アレンジは原曲に近い形で行われている。メロディーをそのままギターに置き換えた印象を持たれるかもしれないが、聞きこなせば萩谷清のギターにソウルフルなものを感じることに気づくだろう。派手なインプロヴィゼーションがあるわけではないが、オクターブ奏法あり、萩谷清が得意とするフレーズあり、楽曲の魅力がだんだんわかってくる。

萩谷清は、ウェス・モンゴメリーのCTIサウンドを初めて聴いたときの印象をこのアルバムでも再現しようとしたという。ウェス・サウンドを聞いて抱く第一印象は、イージーリスニングかもしれない。ストリングスのかろやかなバッキングの上にオクターブ奏法のギターが心地よく響く。スリリングなジャズ演奏の世界とは別個のジャンルだと思えるかもしれない。